pancakeタイトル長いですね、スミマセン。

何年か前、日行連関係の会務で西の方に出かけた時に、「結局、同席調停のポイントって、当事者の話をよく傾聴して、ガス抜きするっていうことなんですよね?」という質問を受けたことがあります。
私が質問を直接受けたわけではないので、その場で答えたわけではなく、私よりも偉い人が「そうではない」という趣旨のことを質問の回答として述べていましたが、答えになっておらず、回答者も困っていたのが見て取れました。
私は、「違う」とは強く思うものの、そのときは自分の中でうまく説明ができず、ずっと考えていました。
1ヶ月くらい考えて、やっとすっきりしたのを覚えています。

違うんです。

ガス抜きがメインではないのです。
確かに、当事者の話を傾聴することによって、ガス抜きの効果はあるかもしれません。
でも、その場合同席である必要はないですよね。

重要なのは、当事者Aさんが調停人と対話し、その様子を相手方のBさんが見聞きしている、同じ空間にいて二人の話を聞いている、ということなんです。
つまり、当事者のAさんとBさんはお互いに紛争の当事者なので、相手に対して高ぶった感情を抱いていたり様々な要求があり主張が強かったりして、表に発せられるメッセージを相手方が素直に受け止められないのです。
例えば、言葉の端々に相手を非難する表現がされたり、口調が荒くなったり、表情が険しかったり、と。
Aさんからのメッセージは、ダイレクトにBさんに届いた場合、メッセージに余計なものがたくさん付着して、そのままではBさんは受け入れられない、ということが往々にしてあります。

ここに、第三者である調停人が間に入る意味があるのです。

当事者のAさんは、Bさんに対する主張、メッセージを、Bさんに対してではなく調停人に伝えます。Bさんの目の前で。
それは、AさんBさん二人だけの場合はBさんが素直に受け入れられない主張、言葉、表現です。
でも、調停人は第三者で紛争当事者ではないので、受け止めることができます。話を傾聴します。
そして、当事者Aさんが本当に伝えたいメッセージを、ゴテゴテと飾り付けられた主張の中から調停人は見つけだし、それをAさんに対して投げかけるのです。「Aさんは今、~ということをおっしゃいましたが、それはつまり~ということでしょうか」と。
調停人と当事者の間に信頼関係が構築され、きちんと話を傾聴され、そしてパラフレーズやリフレーミングによって伝え返すことができれば、「そうです」という趣旨のレスポンスがあります。

このやり取りを、横でBさんが見て聞いている、というところが同席調停のキモです!(と私は考えています)

Aさんと調停人のやり取りをBさんが横で見ていて、ああ、Aさんが言いたかったのはそういうことなのか、と理解する。これが同席調停が前に進むメカニズムであり、同席調停でしか成し得ない効果なのです。

ロールプレイを見ていると、ここで、もう一度調停人がBさんに対して同じことを繰り返して説明する人がたくさんいます(「Bさん、つまりAさんが言いたかったのは、~ということなんですよ」というふうに)が、これはあまりうまくありません。

だって、今Bさん横で聴いてたから!

同じ話をしかも調停人からされると、「アレ? 調停人はAさんの味方なの?」と思われます。特に迂闊な人は、したり顔で説明したりするので余計にです。

だから、調停人はこう言えばいいのです。

「Bさんは今のお話をお聴きになってどう思われますか?」

(続く!・・・かも)