(写真はシマウマです)

(写真はシマウマです)

 先週、鳥獣保護法という法律について、簡単に解説したブログを書きましたが、その鳥獣保護法が昨年改正され平成26年5月30日に公布されたものが本日施行されました(一部未施行あり)。

 近年はニホンジカとイノシシが増えているそうで、その要因として狩猟者数の減少や高齢化、天敵であるニホンオオカミの絶滅、造林や草地造成などによる餌となる植生の増加などが挙げられています。

 増えたニホンジカやイノシシは、日本全国で生態系を破壊し、私たちの生活にまで深刻な被害をもたらしているとのことで、自然公園における高山植物の減少、希少種への影響(チョウなど)、農林業に対する被害(米や野菜を食べてしまう)などが報告されています。

 このままでは爆発的に増えることが予想されているため、科学的・計画的な鳥獣保護管理の総合的な推進を行うべく、鳥獣保護法が改正された、というわけです。

 鳥獣保護管理の3つの柱として次のことが掲げられています。

1.個体群管理:個体群の数や密度、分布などのコントロール
2.被害防除対策:捕獲以外の手段(電気柵、ワイヤーメッシュ柵など)による被害の防除
3.生息環境管理:放棄され草原化した耕作地などを適切に管理する

 環境省と農林水産省は、平成25年12月策定の「抜本的な鳥獣捕獲強化対策」において、ニホンジカやイノシシの生息数を10年後までに半減する」としています。
 そしてさらに、平成26年の鳥獣保護法の改正で鳥獣管理に向けた新たな取り組み(指定管理鳥獣保護等事業、認定鳥獣捕獲等事業者に関する制度、など)を導入しています。

 今後は、鳥獣保護法が「鳥獣保護管理法」という名称に変わることも予定されており、環境省では、「いま、獲らなければならない理由」という今風なタイトルのパンフレットも作成し、かなり盛り上がっている様子がわかります。

 ちなみに、ニホンジカは、名前は似てますが国の特別天然記念物であるニホンカモシカとは別のものですのでご注意。