建設業許可を受けた後にも、いろいろとしなければならないことがあります。
標識の設置
建設業許可を受けた事業者は、その事業所や建設工事現場に一定の標識を掲げなければなりません。
この標識には、記載する事項が定められています。また、標識の掲示場所も、公衆が見やすい場所でなければなりません。
これは、適法な事業者によって適正に工事が行われていることを対外的に示したり、建設工事が一時的なものであるという性質から責任の所在を明らかにしたりする趣旨から求められています。
標識に記載する事項は以下のとおりです。
1.一般建設業または特定建設業の別
2.許可年月日、許可番号及び許可を受けた建設業
3.商号または名称
4.代表者の氏名
5.建設工事の現場においては主任技術者または監理技術者の氏名
帳簿の備え付け
建設業の許可を受けた事業者は、営業所に一定の帳簿を備え、5年間保存しなければなりません(法40条の3)。
帳簿の記載事項は以下のとおりです(施行規則26条1項)。
1.営業所の代表者の氏名、代表者となった年月日 |
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2.注文者と締結した建設工事の請負契約に関する次の事項 |
1)請け負った建設工事の名称、工事現場の所在地 2)注文者との契約日 3)注文者の商号、住所、許可番号 4)注文者から受けた完成検査の年月日 5)工事目的物を注文者に引き渡した年月日 |
3.発注者(宅地建物取引業者を除く)と締結した住宅を新築する建設工事の請負契約に関する次に掲げる事項 |
1)当該住宅の床面積 2)当該住宅が特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律3条1項の建設新築住宅であるときは、同項の書面に記載された2以上の建設業者それぞれの建設瑕疵負担割合の合計に対する当該建設業者の建設瑕疵負担割合の割合 3)当該住宅について、住宅瑕疵担保責任保険法人と住宅建設瑕疵担保責任保険契約を締結し、保険証券又はこれに代わるべき書面を発注者に交付しているときは、当該住宅瑕疵担保責任保険法人の名称 |
4.下請負人と締結した下請負契約に関する事項 |
1)下請負人に請け負わせた建設工事の名称、工事現場の所在地 2)下請負人との契約日 3)下請負人の商号又は名称、住所、許可番号 4)下請工事の完成を確認するために行った検査の完了日 5)下請工事の目的物の引渡日 |
5.特定建設業許可業者が注文者となり、一般建設業者(資本金4000万円以上の法人企業を除く)に建設工事を下請負した場合には、当該下請契約に関する次に掲げる事項 |
1)支払った下請代金の額、支払った年月日及び支払手段 2)下請代金の支払につき手形を交付したときは、その手形の金額、交付年月日及び満期 3)下請代金の一部を支払ったときは、その後の下請代金の残額 4)下請負人からの引渡の申出から50日を経過した場合に発生する遅延利息を支払ったときは、遅延利息の額及び支払年月日 |
そして帳簿の添付書類は以下のとおりです(同2項)。
1.契約書、変更契約書またはその写し |
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2.特定建設業者が一般建設業者へ建設工事を下請させた場合、支払った下請代金の額、支払った年月日及び支払手段を証する書面またはその写し |
3.請け負った建設工事が、施工管理台帳を作成しなければならないものである場合、当該施工体制台帳のうち次の事項が記載された部分 |
1)監理技術者の氏名及びその有する監理技術者資格 2)監理技術者以外に専門技術者を置いた場合は、その者の氏名、その者が管理した建設工事の内容及び有する主任技術者資格 3)下請負人の商号又は名称、許可番号 4)下請負人に請け負わせた建設工事の内容及び工期 5)下請負人が置いた主任技術者の氏名及びその有する主任技術者資格 6)下請負人が主任技術者以外に専門技術者を置いた場合、その者の氏名、その者が管理した建設工事の内容及び有する主任技術者資格 |
さらに、発注者から直接工事を請け負った元請業者は、その施工工事の瑕疵担保期間を踏まえ、以下の書類を10年間保存しなければなりません(紛争の解決の円滑化に資する書類)。
1.完成図(工事目的物の完成時の状況を表した図)
2.発注者との打合せ記録(工事内容に関するものであって当事者間で相互に交付されたものに限る)
3.施工体系図(法令上作成義務のある建設工事に限る)