先日、PTA会長を務める地元の中学校が創立60周年を迎え、式典と祝賀会が行われました。

■北区立浮間中学校 60周年記念式典 PTA会長挨拶■

 北区立浮間中学校の創立60周年の祝賀に当たり、心からお祝いとお慶びを申し上げます。
 先ほど、校長先生からもお話がありましたように、浮間中学校は昭和34年に開校し、その歴史をスタートさせました。生徒の皆さんはもちろん、私自身も生まれる前の出来事です。
 私事で恐縮ですが、私は大阪で生まれ、名古屋で育ち、そして成人してからは上京し、今ここ浮間の地で生活しています。浮間に移り住んで14年ほどですが、もともとは、縁もゆかりもありませんでした。しかしながら、浮間という地域が私たち家族を受け入れてくれ、今では多くのかたと繋がりをもって暮らしています。
 浮間で暮らすようになって、「地域社会」というものをより強く意識するようになりました。子どもを育てる立場になったから、というのもあるかもしれません。私にとって浮間の地は、「第2のふるさと」のようになりました。

 さて、学校というのは、改めて考えてみると本当に地域の柱の一つであると感じています。特に子どものいる家庭にとっては、一番身近な地域社会との接点ではないでしょうか。例えば、体育祭や文化祭などを通して、同じ地域に暮らす人たちと身近に触れ合うことができます。保護者同士であれば立場も似ているため、お互いに理解もしやすく、関係性を深めることができると思いますし、地域の防犯・防災などの情報共有や設備提供の面においても、学校が果たす役割は非常に大きいのではないかと思います。
 また、学校には別の存在意義もあると思っています。それは、地域の学びの場、コミュニケーションの場としての施設等の活用です。
 幸せなことに、浮間は子どもが多く、若い世代からお年寄りまで幅広い年齢層の方が暮らしていらっしゃる地域です。また、最近では外国人のかたもよくお見かけし、世代だけでなく、国籍まで多様性が感じられます。
 人は自分と違う価値観に接したときに、摩擦を起こしがちですが、それは飛躍や発展のチャンスでもあります。自分と異なる考え方、立場と接することにより得られる新しい視点、知識を積極的に採り入れることができれば、成長へと繋げることができます。また、新しいアイディアは既存の価値観のぶつかり合いから生まれるものです。
 浮間中学校においては、次年度新校舎が完成し、全国的にも珍しい複合施設として新しくスタートします。子どもたちだけではなく、地域の学びの場、コミュニケーションの場としての施設の活用においても、まさにこれからの浮間の中心となる役割を担っていただきたいと、期待をしております。

 何かを新しく始めるときは、エネルギーに満ちていますが、本当に大変なのは継続することではないかと思っています。60年間この浮間の地で、地域の柱の一つとしての役割を担ってきた浮間中学校は、多くの関係者の皆さまのご尽力によって支えられてきたのだと思います。その力を、ぜひ次の世代につなげていただき、子どもたちが成長し浮間の外へ羽ばたいても、「第2のふるさと」を支える力になれるよう後押ししていただきたいと願っています。

 最後に、この栄えある創立60周年を契機として、今後さらなる発展を遂げられますことをご祈念申し上げ、校長先生はじめ教職員並びに生徒の皆さん、保護者の皆様、地域の皆様、関係各位のご健勝とご多幸をお祈りいたしまして私の挨拶とさせていただきます。
 本日は、誠におめでとうございます。

令和元年11月9日

北区立浮間中学校PTA会長 光永謙太郎